カウントダウン
欠けた月
カランカラン――
ドアを開けた瞬間、懐かしい匂いがあたしの鼻をかすめた。
「いらっしゃいませー」
相変わらず、このマスターはあたしに最初に挨拶をしてくれる。
そして……
「キョーコちゃんじゃない!」
相変わらずの、金髪美人。
あたしは今日、久しぶりにMr.シャマンに来ていた。
「ヒロミさん、久しぶりですね」
「ホントよー! 何してたのよ、もうっ!」
そう言ってあたしの肩をバシバシと叩く。
そして後ろを振り返って。
「ケンちゃん、キョーコちゃんに、いつものね♪」
あたしにニッコリと笑いかけた。