Princessの掟
それからしばらくして有名ホテルに止まった。
「どうぞ。」
後藤さんが開けたドアから出ると私はホテルを見上げた。
おかしい。
このホテルには何度か来たことがあるけど、急に連れて来られたのは初めてだ。
「ユリアお嬢様。」
ホテルの前で立っていると前からお父様の執事の黒川さんがやってきた。
「なにも言わず連れて来てしまい申し訳ありません。」
「…ええ。かまわないわ。」
「では、参りましょうか。」
それだけいうとホテルの中へ歩き始めた。
私も黒川さんに遅れないようにただ付いて行った。
しばらく歩くとひとつの部屋に通された。