Princessの掟
食堂に入るとお母様は既に来ていて食事を始めていた。
私も席に座るとディナーが運ばれてきた。
私がそれに手をつけようとした時、
「百合亜、お話があるの。」
お母様が話を切り出してきた。
私は少し緊張し始めた。
そしてお母様の目配せでメイドなどが食堂から出ていった。
無駄に広い食堂にはお母様と私だけ。
なんともいえない空気が私達の間に流れた。
それを破ったのはお母様だった。
「百合亜。」
「……何?」
「拓磨さんが青華に転入してきたそうね?」
やっぱりその話か……。
「ええ、そうですわ。」
「あなたはどう思っているの?」
「どうと言いますと?」
私は分かっていたけどわざとしらばっくれた。
「あら、やだ!!拓磨さんとの婚約の話よ。」
お母様は当たり前でしょといいような顔で私を見てきた。