Princessの掟
中に入るとお父様とお母様がいた。
「お父様。これはどういうことですの?」
私は入るなり父に怒鳴り散らした。
そんな私と正反対に父はニコニコしていた。
「百合亜。そうキレるな。可愛い顔が台無しだぞ!」
「今この状況で何をキレないでいられると思っていらっしゃるの!?」
私は、父の首を力づくで振りながらそうまくし上げた。
「…ぅぅ…苦しい。…百合亜離しなさい。ちゃんと説明するから。」
父が焦っていうと私はしょうがなく首を離してあげた。
「分かるように説明して下さいね。」
「おまえも知ってると思うがおまえにも執事を付けなきゃいけない。」
「ええ、それは知ってるわ。」
「それでおまえの執事を紹介しようと思ってな。」
「そうでしたの。それでその執事は?」
「あっちの部屋にいるよ。中原!」
中原と呼ばれた人が隣の部屋から出てきた。
「お初にお目にかかります。中原と申します。ユリアお嬢様。」
中原という人は背が高く、優しそうな顔をしている人だった。
「初めまして。百合亜ですわ。よろしく。」
「中原はとても優秀なやつだから安心しなさい。」
「ええ、とても良さそうな方ね。お父様、帰りましょう。」
「…悪いがこれからが本題なんだ。」
父は深刻な顔をしてきり出した。