Princessの掟
「えーいいじゃん。少しだけだし!!」
それでもしつこく言ってくる拓磨くん。
私が困っていると
「ごめんなさい。五十嵐さん。今日は私と約束してまして。」
いつの間にか私のそばにきた美吏那が拓磨くんに言っていた。
「そうなんだ。じゃあしょうがないね!じゃあまた明日。」
少し残念そうな顔をする拓磨くんに申し訳なくなった。
「美吏那。ありがとう。」
実をいうと美吏那とは約束なんてしてない。
美吏那が私の為についてくれた嘘。
「いいの!百合亜が困ってる時に助けるのが親友の役目だから。」
「美吏那がいてくれて良かった。」
私は心からそう思った。