Princessの掟
この匂い。
私がプレゼントしたやつ。
ちゃんと付けてくれてたんだ。
それだけで気持ちが温かくなる。
「……ありがとう。」
私がそう言うと優斗は私を離した。
離れて上を見上げるとやっぱりそこには優斗がいた。
「気をつけろよ。顔に傷でもできたらどうすんだよ。」
その口調はいつもと同じでなんだか不思議と安心した。
「くしゅん。」
もう太陽も沈もうとしていて気温も昼間よりかなり下がっている。
季節はもう10月の半ば。すっかり冬になってしまった。
「大丈夫かよ?」
「平気よ。少し寒かっただけだから!!それよりこんな時間まで何してたの?」
「ああ、なんか校長に呼ばれてなかなか逃がしてくれなくてさぁ。」
「そっか。御愁傷様。」
「うるせぇーよ。」
ああ、こんなに喋ったのいつぶりだろう。