Princessの掟
婚約!?
「…それはどういうこと?」
「おまえには身勝手だと思うんだか、お見合いをしてくれないか?」
「ええいいわ。……ってお見合い!?」
「どうしても断れなかったんだ。会うだけで、嫌なら断ればいいんだ。父さんを助けると思って頼む百合亜。」
正直父の言葉に戸惑った。
「…お父様には悪いですがお受けすることはできませんわ。」
誰だか分かんない人とお見合いなんて……
私は、自分がいいと思う人じゃなきゃやっぱり嫌だから。
「…やっぱり無理か…。」
父の表情に少し胸が痛んだ。
「待ちなさい。百合亜。」
今まで黙っていた母が口を開いた。
「何ですの?お母様。」
「このお見合いは会社にも差し障るものなの。嫌なのは分かるわ。でも、あなただけの問題じゃないの。分かるわよね。百合亜。」
「…わたくしが受けなかったらどうなりますの?」
私の質問に母は少し考えると私の顔を見てはっきり答えた。
「倒産する可能性があるわ。」
母の言葉に絶句した。
倒産だなんて…
私の会社は大企業と言っても過言じゃない。その会社が倒産とは。「
「分かりましたわ。会うだけ会います。しかし、受けるかは別です。それでもいいですの?」
「それで構わない。すまない、百合亜。」