Princessの掟





テラスに出るととても綺麗な満月があった。 



「……私、どうしたらいい?」



私がひとり悩んでいると背後に気配を感じた。 



「百合亜。」



振り返ると、そこにはお父様がいた。 



「……お父様。」



「百合亜、お前は頭がいいだから、余計に考えてしまうのだろう。だからきっとお前になら答えが出せると父さんは思うよ。」



「……でも、考えても考えても何が正しいのか分からないの。」



「正しい、正しくないはいいんだよ。お前が正しいと思えばそれが正しいんだよ。」



いつも見る父は少し頼りないのに、今日見た父は逞しくてとっても温かくて



いつの間にか涙が出てきた。 



そんな私を父は黙って頭を撫でてくれていた。 







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