Princessの掟




ホテルに着き後藤さんがドアを開けてくれた。 



「どうぞ。」



「………」 



しかし、何故か私は車から下りることができなかった。 



「百合亜様?」



はっ!! 



中原の言葉で我に返った。 



「何でもないわ。」



笑顔を作って私は車から下りた。 



中原と共に、ホテル内のレストランに入った。 



名前を言うと奥の席に通された。 



席には既に私の両親と拓磨くん達も来ていた。 



「申し訳ありません。遅れてしまって。」



私は頭を下げた。 



「いいのよ。百合亜さん。さぁ、拓磨の隣に。」



拓磨くんのお母様に進められて、席に着いた。 



拓磨くんの方を見ると、こっちに気付いたのかニコッと笑ってきた。 



「今日は和食のフルコースみたいだよ。」



「そうなの?」



「楽しみだね!!」



拓磨くんはいつも以上に明るい。 



学校じゃないしそんなもんか。 





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