Princessの掟
ホテルを出ると私が来るのを知っていたかのように車が止められていた。
「さぁ、百合亜様。」
中原が開けてくれたドアから乗り込んだ。
「あとのことは頼むわ。」
「かしこまりました。」
私の言葉に中原は清々しい笑顔で答えた。
「出して。」
私を乗せた車が走りだした。
「……間に合うかな。」
約束は1時。
今は12時40分。
ギリギリかも。
だけど、私が何も言わなくても後藤さんはいつもよりスピードを早くしてくれている。
どうか間に合いますように……。