Princessの掟
プリンス誕生
お見合いから1週間が経ち今までと何にも変わらず過ごしていた。
「…はぁ〜。」
「これで30回目よ。」
「えっ?」
私が尋ねると呆れたように美吏那が呟いた。
「ため息よ。さっきからずーとため息ばっかり。あまり考えすぎると体によくないわよ。」
美吏那は心底心配しているのが顔色から伺える。
「分かってるんだけど。」
「何を悩んでるの?かっこよくて、性格もいい。他になにが不満があるのよ?」
「不満はないの。ただ、こんなに早く決めていいのかなって思って。」
「ユリア……。」
「失礼致します。ユリアお嬢様。校長室に来るようにとのことにございます。」
ずっと控えていた中原が私の傍にきた。
「校長室?…何のようかしら。美吏那、ごめん。ちょっと行ってくる。」
「私のことは気にしないで。早く行きなさい。」
「ありがとう。中原、行くわよ。」
私は少し急ぎ足で校長室に向かった。
早く行かなくてもいいはずなのに、なんだか胸騒ぎがした。