Princessの掟
「お待ちしました。ロールケーキセット2つです。」
私は注文の品を置いてその場を去ろうとした時声をかけられた。
「…あの?二階堂百合亜様ですか?」
「…えっ?ええそうです。」
私がそう言うと目の前の女の子はパッと明るい表情になった。
「あ、ああああのの!!だ、大ファンなんです。あ、握手してもらってもいいですか?」
その子は緊張からかかなり噛んでいる。
「ええ、もちろん!ファンっていって頂いて嬉しいわ。」
私は笑顔で握手に応えた。
実をいうとこういうのが一番嫌い。
「ありがとうございました。」
その子はそれだけ言うと風のように去っていった。