Princessの掟
「僕はそろそろ劇の準備かなって思ってきたらさっきの状態で、咄嗟に先生を呼んだんだよ。」
「じゃあ、さっきの声は拓磨くんだったのね。」
「うん。その後男達を追い掛けたんだけど見失っちゃったんだ。」
そう言った拓磨くんは凄く悔しそうな顔をしている。
私なんかのためにわざわざ追い掛けてくれたんだ。
そう思うと胸が痛くなった。
「拓磨くん。ありがとう!」
「………」
拓磨くんは何も答えずに後ろを向いてしまった。
でもほんの少し顔が赤かったのを見てしまった。
きっと彼の照れ隠しなんだと思う。