Princessの掟
今日は雲一つない晴天だ。晴れてると屋上は最適。
「百合亜。プリンス誕生ってどういうこと?」
「校長に昨日呼ばれたじゃない?それがこの話だったのよ。」
私は昨日あった話を全て美吏那に話した。
「話は分かったけど…百合亜どうするの?婚約の話もあるでしょう?」
「それは大丈夫。プリンスとの婚約は1年後までに違う人を好きになったらなしになるから!!」
「それならいいけど。でも五十嵐拓磨には何て返事するの?」
美吏那の質問に私はどう答えを出せばいいか迷った。
拓磨くんは悪い人じゃないしイヤってわけじゃない。
なんか心の奥がもやもやしてる。
「どうしよう。美吏那。」
泣きそうな私を美吏那はよしよししてくれた。
「だったら、友達からってのはどう?」
美吏那が急に言い出した。
「でも…それってなんか期待させてるみたいじゃない?」
私の言葉に美吏那はそうよねって言ってまた考えだした。
「ごめん、美吏那。迷惑かけて。」
「なに言ってんのよ。私は相談してくれて嬉しいよ。」
そう言って美吏那はニコッと笑った。
「そろそろ戻ろうか?」
美吏那の言葉に頷き私達は屋上をでた。
「婚約ってどういうことだ……?」
そう、私達以外にも屋上に人がいたのだ。
でも私はそれに全く気づかなかった。