Princessの掟
それから、4人で他愛ない話をして休み時間が終わりそうだったから教室に戻ることにした。
そしたら何故か私の隣には奴がいる。
覆紀君と美吏那は意気投合したのか私達より少し前を歩きながら喋っている。
私達はというと、終始無言。
その沈黙を破ったのは奴。
「テスト前の約束覚えてる?」
「ええ、覚えてる。」
「じゃあ俺の勝ちだな。」
分かっていたけど…
面と向かって言われるとすごく悔しい。
「俺からのお前に出す命令は…」
そこまで言うと止まってしまった。
「命令は何よ?」
私が急かすように言うと奴は含み笑いをした。
「放課後に言う。」
イタズラぽく言ってきた。
「な、なんで今じゃないのよ。」
「別に。気分。」
「意味分かんない。」
私はそれだけ言うと奴を置いてさっさと教室に入った。
「ほんと、かわいい奴。」
奴がそんなことを呟いていたことなんて私は知らなかった。