Princessの掟






「じゃあ僕たちは話が終わるまで外にいるから。」



「何かあったら呼んでね?」



心配そうな表情をしながら2人は出ていった。 



「よし、何から話そうかな。」



優斗は顎に手を置き少し考えだしてしまった。



その姿を私はただ見つめた。 



しばらくすると優斗はゆっくりと口を開いた。 



「落ち着いて聞けよ?」



その言葉に私はゆっくりとうなずいた。 



「……茉莉香は今、集中治療室にいるんだ。」



優斗の言葉に頭が真っ白になる。 



「茉莉香は百合亜を刺した後、他のナイフで自分の手首を切ったんだ。…命は取り留めたが、出血が多くて目が覚めるまで危ない状態なんだ。」



呆然とする私の手を優斗は優しく握った。 



この時私は初めて神様を呪った。 



どうして、人は死ななければいけないの? 



どうして、人は傷つくの? 



お願い、神様。 




茉莉香さんを助けてください。 








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