Princessの掟
「中原。」
「はい、なんでございましょう奥様。」
中原が振り返ると母は小さく笑った。
「何時の間に、百合亜はあんな真っ直ぐな瞳をするようになったのかしら。」
「そうですねぇ。わたくしも驚いております。最近の百合亜様に。」
中原は遠くを見るような目で階段を上がっていく百合亜を見た。
「これからも百合亜を頼みますよ。」
「畏まりました。」
「中原、早く来なさい。」
「只今、参ります。」
「では、失礼致します。」
中原は百合亜のもとに駆け寄った。
「何をお母様と話していたの?」
「ただの世間話です。」
「そう、早く部屋に行くわよ。」
階段を上がっていく2人を母は優しく見つけていた。