Princessの掟
「あはは。ご、ごめんね?」
とびっきりの笑顔でいってみた。
「ヤダ許さない!」
奴に引き寄せられて抱き締められた。
「ちょっと…。」
本当に心臓が壊れるんじゃないかって思うぐらい私はドキドキしていた。
どうしよう。
奴に聞かれていたら。
急に奴は抱き締めていた手を緩めた。
「目閉じて。」
「なんで?」
「いいから。」
私はしょうがなく目を閉じた。
そうすると、口に柔らかい感触がした。
「……ン、イ…ヤ。」
私は奴から逃げるように顔を背けたけど、すぐに捕まってしまった。
しばらくして奴が私から離れた。
「もう何すんのよ。」
私は呼吸を整えながら言った。
奴は私とは正反対に涼しい顔をしている。
「うん、似合ってる!」
奴がそういうと私は首元になんか違和感を感じた。
「あっ!これ。」
首元には今日アクセサリーショップで見つけた冠のネックレス。
「これ、どうして?」
「姫にはやっぱり冠が似合う。」
そう言った奴は夜景の光でいつも以上にかっこよく見えた。