Princessの掟
それから2人で街の景色を見ていた。
「俺のお気に入りの場所なんだ!ここ。めっちゃ綺麗だろ?」
「うん。街の景色が一望できるところがあったなんて知らなかった。」
「気に入ってくれて良かった。」
それだけ言うとまた景色を見始めた。
こっそり奴を見ると、やっぱりすごくかっこいい。
私もまた夜景を見た。
「そろそろ行くか?」
そう言って前来た道を戻ろうとした時、
「ちょっと待って。」
私の言葉に少し不思議に思ったのか首を傾げてこっちを見た。
私は一息深呼吸をすると
「はい。これ。」
奴に香水屋で買った紙袋を渡した。
「何これ?」
「いいから、受け取って!今日のお礼。」
それだけ言うと私はそそくさとその場を去った。
だって顔が赤いのを見られたくなかったから。
私が去った後少し遅れて、奴が来た。
「サンキューな。使うから。」
「当たり前でしょ。私があげたんだから。」
これはただの照れ隠し。
それに気付いたのか分かんないけど、奴が笑っていた。
それから私達は車までの道のりを横に並んで歩いた。