Princessの掟




しばらくして女の子が私に気付いた。 


「あなた誰?」


そう笑った顔は天使のようで可愛いかった。 



「初めまして、二階堂百合亜です。」


私は精一杯の笑顔で答えた。 


もしかしたら顔が引きつっているかもしれない。 



「ああ!優斗とダンス踊ってた人?凄く素敵でしたよ。」


人懐っこい性格。 
わたしとは大違い。 



「城東さん、そちらの方は?」


私はわざと表で聞いた。


私の話し方に少し驚いた顔をしたがすぐに戻して、



「こちらは、芭雪茉莉香(ハナユキ マリカ)さんです。」


名前まで可愛いい。 



「優斗!ちゃんと紹介してよ!!因みに、優斗の婚約者です!」


「えっ?」



なんとなく分かっていたけどはっきり言われるとやっぱりキツイ。 


私は泣きそうになったけど頑張って堪えた。 



「そうでしたの?それでは邪魔をしてはいけませんわ!私はこれで。」


私は茉莉香さんの顔を見て言うと優斗の顔を見ずにテラスを出ようとした。 


「百合亜。話があったんじゃ……」


婚約者がいるのに私を名前で呼んでいいの? 


喉から出てきそうになった言葉を飲み込み、 


「大したことではありませんわ。」



私は笑顔で言うとテラスを出た。 





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