Princessの掟
「聞いてー優斗!!私もS組が良かったんだけどもう1人の転校生の方が成績良いから私、Dになっちゃった。」
今の場には合わないぐらい明るい声でいう女の子。
その女の子とは……
芭雪茉莉香。
「茉莉香、今ちょっと立て込んでるんだ。後にしてくれないか?」
茉莉香さんのいきなりの登場にあわてることなく言う優斗。
「えー。なんでなの?あっ!」
さっきまでずっと優斗を見ていた茉莉香さんが私に気付いた。
「久しぶりだわ!!百合亜さん。」
天使のような笑顔は女の私から見てもすごく可愛かった。
「お久しぶりですわ。茉莉香さん。」
私も彼女に負けないぐらい笑顔で答えた。
でもやっぱり勝てないと思った。
作り笑顔は何度もしていたけど、今程キツイと思ったことはなかった。
そっか……
これが恋なんだね。
私がほしいと思うものを彼女はもっている。
だからこんなに心が痛いんだ。