Princessの掟
しばらくは優斗と茉莉香さんの会話で私達はそれを聞いているだけだった。
私の心はさっきからズキンズキンいっている。
私は帰ろうと鞄を持った時、
ぐいっ
誰かに腕を引っ張られた。
「一緒に帰ろう?」
「……えっでも私、車の迎えが来てるし。」
「じゃあ門まで行こう。」
私の返事も聞かずにドアの方へ腕を引っ張って歩き出した。
優斗達の横を通る時、一瞬だけど、優斗と目が合った気がした。
優斗はやっぱり私のことなんてなんとも思ってないんだね。
そう思うと涙が溢れてきそうになった。
私は必死に涙を堪えた。
だって拓磨くんに見られたくなかったから。