虹
出会い
ピピピピピ…
薄暗い部屋に携帯のアラームが鳴り響く。渚はアラームを止め、ベッドから降りてカーテンを開ける。
「んぁぁ~!!」
大きく体を伸ばし、時計に目をやる。
4時だ…
渚はさっさと朝食を作り、ジャージから着替える。
なるべく汚れても良い服をさがしたところ、Tシャツにオーバーオールと言うスタイルになった。
軽く朝食をすませる。
テレビからは朝のニュースを一言一言噛まないように、原稿を読んでいる声が聞こえて来る。
春だからだろう。
入学、進学の特集をしているようだ。
渚は自分の部屋から花屋へ移動する。
渚の花屋はいつも寝泊まりしている自宅と繋がっている。
花屋の奥が自宅になっているしくみだ。
渚は重いシャッターを勢いよく開ける。
ガラガラガラッ
シャッターを開け、ガラスのドアを開けると、まだ4月上旬だからか春風が体を突き抜けて体を冷やして来る。
「寒っっ!!!」
渚は耐えられなくなり、近くにあったピンクの上着を羽織る。
「今日も頑張れ、俺。」