【短編】花学園
「まてよ。」

そい言って水裏は私の手をつかんでひっぱり、抱きしめた。


「スキじゃないんだろ?じゃあ無理してアイツのところ行くなよ。俺のところにいろよ。」


「………。」


「なぁ美衣子…、スキなんだよ。」


思いがけない言葉。

水裏の手に強く力が入ったのがわかった。

水裏は、私の肩にアゴをのせた。


「スキだから…」


2度目の言葉。


『あたしも』って言いたいよ?


でもあたし、その言葉を言ったら、今まで通りに水裏と話せなくなるんじゃないかって思うと怖くて…。


やっぱあたしって恋に不器用なんだなーって思う。




素直になれたら…。
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