あなたと私
「だっ大樹っ!」

震える声で叫ぶ私。

「何?」

冷たい返事、なのに顔が真っ赤な大樹。
期待しちゃうじゃん。


「返事、ちょうだい」

「………」

無視してどこかに行こうとする。


待って………



気付いた時には大樹のパーカーの
袖を掴んでいた。


「待ってよ、逃げないでよ」


もうだめ。
泣いちゃうよ………


「返事あげなよ」

真由が大樹に怒鳴ってる


「いや………」


「え…?」

驚いて、掴んでいたはずの
袖がすり抜けてしまった。


どこかに行く大樹。



「いやって何?だめだったの?」

「璃香っ!まだ分かんないよ。
また今度聞いてみようよっ」


静かに私は頷いた。







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