あなたと私
「信じていいの?」


静かに頷く梅村君。
もう、嬉しすぎて、幸せすぎて…
目に溜まる涙でよく顔が見えなかった…
大好きな梅村君の顔が見えない…。


「泣きすぎっ!」

「だって~…」


頬に伝う雫を優しく笑いながら拭う梅村君
その笑顔がすごく可愛らしくて、愛しくて…
私のものなんだと思うと、また涙が出てくる…。


「じゃあ、俺…松野のとこに行ってくる…。」

「……っ」

「嫌な顔しないで…けじめ付けたいんだ…。」

「でも…っ!!!」


嫌だ…っ離れてかないで…
今はまだ、そばにいてほしいよ…


私は反射的に、梅村君の手を掴んでいた。
驚いた顔をしたけどすぐに優しく微笑んでくれた…。
「安心して…」そう耳元で囁いて
彼は、階段を上って行った…。

私はその姿を見守ることしか出来なかった…。



「………っ」


涙を浮かべながら──…


不安と喜びを両方に感じながら
私は、階段を後にした…
私も…けじめつけなきゃ…



私は、心に決めていたことがあった…。



向かう先は…
























─────2年1組…。
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