あたしの執事
1つの衝動
シングルマザーの母。あたしが5歳の時に母は離婚。

そのせいか母は、ひどく社会に臆病になったしまった。


「千秋、ちょっと相談があるんだけどいい?」


ハタから見れば普通のお母さん。だが、毎日を共にしてるあたしに対しては別。心配性もいい所なのだ。


「何?またくだらない話を相談とか言って、大袈裟にしてるだけじゃないでしょうね?」

「違うよ。これは真剣な話」


いつもとは違う鋭い眼にあたしは少し圧倒される。


「…言いづらいんだけどね、お母さん、海外に転勤することになったの」


唐突な話だった。何も聞かされなかったあたしは、黙って目を見開く。


「…それ、今日決まった話?」


声がかすれて上手く喋れない。


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