あたしの執事

春の風

「玲様ぁおはようございます。お久しぶりですわね。あら?玲様、髪色が変わっていらっしゃいますわ」

「よくお気づきになりましたね。おはようございます。小牧さん、弥生さん、後藤川さん」


巻き髪嬢率いるいつものお嬢様連中たちがやってきた。我が彼氏といえども…


「胡散臭ー…」


あたしがそう言った瞬間、玲はあたしの肩をそっとつかみ


「…何かおっしゃいましたか?千秋様」


と囁いた。


「あら、聞いてたの。案外地獄耳で」

「…それじゃないと、アナタの彼氏なんか務まりませんからね」


先程のお嬢軍団が今いなくて良かったと、心底思った。


「あ、倉木さん」

「…あ?」


自慢ではないが、あたしの視力は2.0だ。少し奥側の物・人でも見える。


「やっぱり」


予想的中。あれは倉木さんだ。

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