あたしの執事
「左よ、左。ダーリン空手やってるのよ。しかも6段!すごくない?」

「ぇえ、左!?」


見事に外れたあたしの予想。言われてみれば、顔は結構いけるかもという感じだ。


「女遊び…酷かったの。昔はね…今は大丈夫!私一筋よん」

「そ…っか」


笑っているつもりだろうが、これまでの苦労が手に取るみたいに分かる表情をしてる。


「つらかったね」

「うん…まあね…って、あ、千秋ちゃん後ろ。玲」

「嘘!あぁごめん。倉木さんとの喧嘩終わった?」


むすっとした表情の玲をよそに、噴出す梓さん。


「またクラと喧嘩してたの?玲。懲りないわねぇ、アンタら」

「喧嘩じゃないですよ。ちょっとした雑談です」


明らかにただの雑談ではなかったことを、示している玲の表情。

ここで裏を明かすわけにはいかないので、今は抑えるしかないという状況だ。


「HRに間に合ってよかったです。ちょっとした戦争も、食い止められましたので」
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