あたしの執事
「公園、行かない?」

「…え?」

「こーえん。落ち着くよ」


公園なんざ、そこらのガキがうろちょろうろちょろ這いずり回って、余計落ち込むだけ。


「全然落ち着かないよ。うるさいだけだもん」

「俺を誰だと思ってんの?いーから、付いて来てよ」


そう言って強引にあたしの手を引っ張った玲。

幾度も坂を上り下りさせられて、着いたのは、川がある人のいない涼しげな公園だった。


「ど?うるさくないでしょ。多少川の音はするけど、欠点ではないよね?」

「すごー…こんな所よくまあ、この日本にありましたな…」

「オッサンみたい、千秋」


首を鳴らしながら、遠くを見つめる玲。

その様子が何か物足りなさそうで…あたしは無性に悲しくなるばかりだった。
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