あたしの執事
無理矢理連れて来られたのは、自動販売機や大きなソファーが置いてある広いロビー。


「ご無礼なことをしてすみません。わたくし、雛形芽衣と申します。今は結婚して、苗字が変わっていますが、司の姉です」

「…あ…えと、ども」


挙動不審なあたしをくすっと笑いながら見ている、芽衣さん。


「そんな固まらないで。…まあ、ここからは真剣な内容になりますが…よろしいですか?千秋さん」

「どうして名前…」

「それもいいとして、実は玲の病状がひどく悪化しています。さっき点滴の時に、腕を見せてもらいました」

「それで…」


ふっと息を詰めるように飲み込む芽衣さん。


「命にはまだ問題がありません。ですが、このまま細くなってしまうと…」

「死ぬ…?」

「その可能性はありますね。そこで提案です」
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