あたしの執事
世界が破滅してもいいと思った。よりにもよって、あんな悪魔と一緒のクラスだなんて。

同じ学校という錘もあるのに…


「じゃあこのへんでそろそろ失礼するわね。千秋ちゃん、夕飯食べてないでしょ?気が向いたら、いつでも玲に頼んでね」

「は、はい…」


気は更に重くなったまま、あたしはうつ伏せた。叔母さんは部屋を出て行った。


「千秋様、失敬かとは思いましたが、ご夕食を持ってまいりました」


ドア越しから聞こえた今一番会いたくない奴の声。

あたしの機嫌は、余計に悪化する始末。


「…入っていいよ」


不本意だったものの、わざわざ持って来てくれたのに、そのまま返すのは可哀想だという想いから、部屋へ入れる。


「失礼します」

「ねえ、あのさ…如月もあたしと同じ学校に通うって本当?」

「通うんじゃなくて通ってんだよ…っといけね。はい。おっしゃるとおりです」

「無理しなくていいよ。素でも、もう慣れたから」

「そういうわけにはいきません。雪子様がいらっしゃいますので」



< 16 / 134 >

この作品をシェア

pagetop