あたしの執事
「さぁ準備、準備」


我を忘れかけている母に、話しかける。


「お母さんはあたしのこと心配じゃないの?」

「心配よ。だから執事をつけたんじゃない」

「気色悪い…じゃなくて!もしも、あたしがその執事と、気合わなかったらどうするのよ」

「そんなこと絶対無いと思うわよ。いい子だし」


何を根拠にそんなこと言えるのだろうか。


「あ、千秋、そこの小さな紙袋取って」


半分以上片づけが終わった荷物を片手に、母はあたしに話しかける。


「何入ってんの?その中」

「少ないけどお金よ」

「なんで?こんなお金なくったって、おばさん優しいし…」

「調子にのったと思われたくないからよ」
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