あたしの執事

染まった時

如月と出かける話はいつしか闇の中に消え、いよいよ叔母さんが出かける日になってしまった。


「千秋様、そろそろお目覚め下さい」


しかも今日からゴールデンウィークだ。こんなにもどうして都合と運が悪い日に、叔母さんの出張がかち合ってしまったのだろう…

あたしが布団の中で震えていると、如月が突然部屋の中に入って来た。


「意地でも私の話を無視するというのなら、強行手段として、また『あのマーク』付けますよ」


如月はそう囁くと、あたしの耳元に静かにフッと息をかける。


「!」

「あ、おはようございます。相変わらず可愛い反応ですね」

「何してんのよ!この馬鹿っ!そんなことする暇あったら、さっさとご飯用意してよね!」

「かしこまりました」


あれ…何かがおかしい…

何か変わっている。


「髪!如月の髪だ。黒くなってる!」

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