あたしの執事
この男は行動全てが謎に包まれている。


「よく分からないけど…とりあえずどっか行かない?」

「千秋から誘ってくれるなんて珍しー」


そう言いながら如月は、あたしの手を急に引っ張った。


「…ん…!?」


…いくらあたしが馬鹿だとはいえ、さすがにこの状況は理解できた。

あたし…キスされてる…


「落とし前、ちゃんとつけてもらおーか」


目の前には意味もなく笑う男。


「…え」


あたしはそのまま地面に座り込んだ。


「あらら、キスだけで腰砕けちゃった?…でも千秋がわりぃんだよ」
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