あたしの執事
笑いをこらえつつも、真剣に言葉を放った梓さん。


「…?ますます意味が分からないです」

「とにかく、ホラ薬買お!玲、今頃苦しんでるわよーっザマミロ」

「は、はい…?」


梓さんがそう言った頃には、もう薬屋の前だった。あたしは薬と下剤をレジ前に持っていく。

当然、ドラックストアーなんかでゴールドカードは使えるはずもなく、現金を支払った。


「千秋ちゃん、玲によろしくね」

「はい」


駅前の門であたし達は別れを告げ、それぞれの道を歩き出す。


「ただいまぁ」


応答がない。2階にでも、行っているのだろうか?


「如月ー?」


姿はあるが返事がないというこの状態が、やけに腹立つ。


「本当に下剤飲ませるよっ」
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