あたしの執事
「うん」


初めて会った頃と今では、もう比べ物にならないぐらいすごく素直になった。

もう十分だろう。一生隣にいたいと言う人が出来たんだから…


「なんかもうどーにでもなれってかんじ」

「え?」

「千秋に風邪移してあげるよ」


そう言ってあたしの手を引っ張る如月。嫌味になるぐらい綺麗な顔が、真正面に映る。


「…!?」

「彼氏だもん。当然だよね」


先程まで重なっていた唇が、今こんなにも熱を帯びている。


「看病してあげよーか。千秋」

「…ふざけんな。馬鹿…っ急過ぎんだよ」

「かーわい、真っ赤」


有り得ない。いくら告白したからって…その直後に…


「如月の馬鹿…っ」
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