隠し事
「・・・い。・・・・こ。」
「おい。亜子!!」
「へ!?」
ハッと気がつき横を見れば瀧の顔。
ちょっと・・・怒ってる??
アハハ・・・・・
「ごめん。ちょっとボーッとしてた。何だっけ??」
あれから数日が経って、今日は久しぶりに瀧が会社まで迎えに来てくれた。
あの日のことは今もまだ聞けてないまま。
「俺ん家寄ってく??」
「えっ・・・・」
瀧の家??
今まで何回も行ったことあるけど、今はそんな気分じゃない。
私の中の黒い感情が今にも溢れそうで怖い。
ううん。
一番怖いのは
瀧を信じきれてない私自身。
そんな私を瀧に知られるのも怖くて仕方ない。
「今日は・・・やめとく。」
瀧を見ないように車の窓の外を眺めながら呟く。