隠し事


チラッと瀧の横顔を盗み見る。

私より長いまつげ。
切れ長の目。
スッと通った鼻。
薄い唇。


運転してる瀧の横顔を見るのが好きだった。



今は

胸の奥が痛い。



「なぁ」


信号が赤に変わり瀧が少しこっちを向く。
でも私はそれに気付かないふりして窓の外を眺めたまま返事をする。

「なに??」


声を掛けてきたのに何も話さない瀧。
だけど視線を感じるからまだ私を見てるのは分かる。


視線が痛い。







「な・・・!?」

"なに??"と再度聞こうと振り向いた私の頬に、瀧の冷たい手が触れる。










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