隠し事

「お前が何も言わねぇからって、お前のせいにするわけじゃねぇけど、俺安心してた。」

「安心??」

「お前は離れていかねぇって……。何の根拠があってだよって思うよな。俺だって思う。でも何も言わなくても5年、俺達やってきた。俺達は大丈夫だって勝手に思ってた。けど亜子を泣かせて不安にさせて、それに気づかねぇでホント情けねえ……。」


「瀧……」


頬を撫でる瀧の指に私も手を重ねる。



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