君にティアラ
「…健吾の、足…試合あるのにどうしよ、う…健吾の、あ、し」

泣いてるせいで喉の奥が熱くて上手く言葉にならない。

健吾に、ケガ、させた。

足、試合までに治らなかったらどうしよう。

もしも骨にヒビが入ってたり、折れてたり、したら?

そんな思いばかりがあたしの頭をよぎる。


「…果穂」

そんなあたしの頭を自分の肩に抱き寄せて。

「オレは大丈夫だから」

ポンポン。

あたしの頭を撫でる大きな手。

健吾の、匂い。

あたしはそれに安心したのか。

大声を上げて泣き出してしまったんだ。

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