君にティアラ
「…たし、が、怪我すれば良かったの、に」

止まらない涙で震える声で言うと真菜に果穂、と顔を覗かれた。

「…本気で言ってる?怒るよ?」

真顔の真菜の言葉にあたしは一瞬黙るけども。

だけど。

試合。

ギリギリ治っても健吾が出れるかどうか。

練習試合だけど、地区大会に出場するメンバーを選ぶ目的もある、って。

もしも勝てれば県大会にも出場出来るチャンスもあるかも、って。

そういう、大切な試合だってあたし、知ってたのに。

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