君にティアラ
その中の一人があたしに気付いた。

数人の女の子の目がキツくなる。

その中で綺麗な女の子の視線があたしに向いて、ドキリとする。


「…町田、果穂さん?」

綺麗に響く声。

綺麗な顔。

綺麗な髪。

綺麗に飾られた爪。


「あなたにお話があるんだけど。ちょっといいかしら?」

綺麗な女の子にそう声を掛けられた。

ああ、健吾のことだ。

直感しながらあたしは頷いた。

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