君にティアラ
自信満々、と書いたような目の前の顔に苛立った。

「…すみません」

そう拒否の言葉を返すと、先輩が驚きに目を見開く。

「あたし、好きな人がいるんです」

きっぱりとそう告げるとあたしは席を立つ。

手の中にあるオレンジジュースのカップをゴミ箱に入れて。

振り返らずにそのまま店を出た。

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