君にティアラ
ポカン。

あたしは間抜けに口を開けてソイツの顔を見る。

頭撫でられるなんて、小さい頃にお父さんにしかされたことがない。

見上げた笑みが、先輩と重なった。

似てるトコなんて、これっぽっちもないのに。

先輩のことを思い出したら、胸の真ん中がギュウッて痛んだ。

それにここ、先輩と来よう、って話してた遊園地だし。

思い出したら、何だか胸の底が冷えてく感じがした。
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