君にティアラ
「全部、聞こえた。果穂に何しようとしてたかもな」

あたしは健吾の背中を見上げる。

大きな背中。

初めて見た時と、同じ。

「…だ、だってそんな子よりあたしの方が釣り合い取れてるでしょ?」

小百合さんの声。

「…そ、そうだよ。小百合のが美人だし…」

ね、ねぇとしどろもどろになりながら女の子達が続ける。

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