君にティアラ
目の前の女の子達を前にして、真っ直ぐ言い切る健吾のその一言に今まで感じていた不安も何もかも全部が溶けて行く気がした。

何かブツブツ言いながらも自分達が不利な雰囲気を悟ったのか、女の子達は互いを誘い合って去って行った。

体育館裏に、健吾とあたしの二人きり。

あちこちからセミの声。

あたしの赤い顔を見た、健吾の顔も赤くなる。

二人で顔を見合わせて、久し振りに笑った。

< 203 / 213 >

この作品をシェア

pagetop