君にティアラ
それから通路の入り口で、突っ立ってるあたしに気付いた。

「なぁーんだ」

先輩の顔に浮かぶ、バカにした、笑み。

「手間、省けたな」

あたしの大好きな声が、最終宣告のように低く、冷たく響いた。



――その日は、どうやって帰ったのか覚えてない。

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