君にティアラ
あたしは自分の手を見下ろした。

伸びた形のままで切られた、何の手入れもネイルもされてない指。

真菜みたいに細くなくて、女の子らしいとは言えない指。

何か、落ち込んで来た。

こんな指も健吾にちゃんと、好いて貰えるのかな。

心配になって、爪を隠すように指先をきつめに握った。

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