君にティアラ
あたしは慌てて真菜と豊さん、健吾の後ろ姿とを交互に振り返る。

二人は何やら笑みを浮かべながら手を振ってて。

爪先が小石に取られてつんめのりそうになって、直ぐに遠くなるその姿からあたしは前に視線を戻した。

…歩くペース、合わせてくれてない。

繋いだ手は暖かいのに、一人でズンズン進む背中が悲しくなって来る。

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